カウンセリングでセラピストが持つべき2つの感覚

 

はじめに観察ありき

心理学を実践に落とし込む祭、一つ大事なことを挙げろと言われれば間違いなく僕は「観察」だと答えます。

観察なき心理誘導は存在しないからです。

観察の重要性は、かの有名なミルトン・エリクソンも述べています。
エリクソンはある時、スリムな女性が目の前に座った際に「昔太っていましたね」と発言したそうです。

驚いた女性が、「なぜわかるのか?」尋ねると、「座るしぐさが太っている人のそれだった」と答えたそうです。僕が求める「観察」はこのレベルです。

セラピストにとって観察は命です。
観察が上手くいくかどうかで、心理療法の成否が決まります。

これは一瞬で決まります。

具体的には、カウンセリングルームにクライエントが入ってくる前から勝負は始まります。

・いつもと来る時間は同じか?
・足音の間隔は?
・ドアを叩く強度
・ドアを開ける勢い

これら全てに、全意識を集中します。

ドアを開けて入ってきたら・・・
この後はもちろん書ききれない観察が必要になります。

その辺りは実践を通して学んで欲しいのですが、一つだけ紹介しておきます。

相手を包み込む感覚

それはカウンセリングルームにクライアントが踏み込んで、セラピストと目が合った瞬間についてです。

この時、セラピストが気をつけなければならないことは1つ。

・クライエントを怖がらせない

ここに最新の注意を払わなければなりません。

セラピスと初対面のクライエントであればもちろんのことですが、以前にカウンセリングを既に行った場合でも油断禁物です。

毎回、このクライエントとセラピストが対面する瞬間には、クライエントを怖がらせないために命をかけなければなりません。

では、どうすればクライエントを怖がらせず、安心感を持たせることができるのでしょうか?

鍵となるのはセラピストの「感覚」です。

初対面でクライエントを大切にしようと、安心させようとあなたが感じたその感覚。

そして、カウンセリングを通して、クライエントと紡いできた感覚。

その両方の感覚を、このクライエントが踏み込む瞬間に同時発火させる。

相手を包み込む優しい感覚。

何度あっても初対面であり、昔からの親しい関係である。

この感覚が大切です。

言語化しにくい感覚ですが、セラピストはこの感覚を「クライエントとセラピストが対面する瞬間」に毎回持つ必要があります。

それにより、クライエントは無意識でカウンセラーに対して安心感を感じることができます。

この感覚を毎回持った上で、

・今日は前回とどこが違うか?
・違和感はないか?
・表情はどうか?
・動きはどうか?
・どんな言葉によく反応しているか?

といった必要な観察を丁寧に行います。

感覚があるというのはスタートラインとして最低限必要なことなのです。

セラピストの適性とは?

セラピストが持つべき感覚としてもう一つ大切なことがあります。

それは主観と客観のバランスです。

セラピストになろうとする人は、心優しい人が多いです。

援助職に就こうとするのですから当然です。

しかし、セラピストの適性がある人が優しい人であるのかというと、決してそんなことはありません。

セラピストの適性がある人は、主観性と客観性をバランスよく保てる人です。

一流のセラピストは常に自分の中に常に主観性と客観性を自分の中に持っています。

そしてそれをとてもバランスよく使っています。

クライエントの気持ちに寄り添い、傾聴しているときは、主観的にクライエントの思いに寄り添っていますが、同時に客観的にどのような心理療法を行いアプローチしていくべきなのかも考えながら接してています。

まさに主観性と客観性を同時に自分の中に存在させるという感覚です。

このような自分を自然に保つには、もちろん場数を踏むことですが、最短で技術を手に入れるためにはコツがあります。

それはスイッチングを意識するということです。

主観100%で相手の話を聞いたら、次は客観100%で相手の話を聞く。

これを繰り返す訓練をしてください。

練習相手は友達や家族など周りの人で構いません。

この訓練を繰り返すことにより、徐々に主観と客観の切り替えのタイミングや、両方の要素が同時に自分の中に存在しているという感覚が芽生えるようになります。

ぜひ実践してみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です